バーチャルアシスタントが自分の電話を使わずにクライアントの代わりに電話をかける方法
バーチャルアシスタントの多くは、クライアントの電話を自分の携帯からかけている。この記事では、ブラウザから電話をかける方法を説明する。クライアントの番号やバーチャル番号を発信者番号にする方法と、クライアントごとに通話を分けて管理する方法も紹介する。
私は14年間、リモートファーストの通信会社Xoxzoを経営していた。チームも顧客も、国をまたいでいた。メールもチャットもビデオ会議も、年々便利になった。しかし、電話だけはいまだに不便なままだった。銀行や大家、役所には誰かが電話をしなければならない。そしてその誰かは、たいてい自分の携帯と自分のお金を使っていた。
VAなら、この悩みはよく知っているはずだ。複数のクライアントを抱え、その代わりに企業へ電話をかけるのも仕事のうちだ。あるクライアントのために歯医者を予約する。別のクライアントの未払い請求を催促する。さらに別のクライアントのために、航空会社の保留音を聞く。そのすべてが、あなたの携帯1台で回っている。
この記事は、そのやり方を変える方法だ。
自分の携帯が仕事に向かない4つの理由
クライアントの電話に自分の携帯を使うのは、最初のうちは回る。しかし、やがて4つの問題が出てくる。
- 自分の番号があちこちに広がる。 電話をかけた企業はすべて、あなたの番号を持つ。夜11時に折り返しがかかってくる。営業リストに登録される。クライアントとの仕事が終わっても、電話は鳴り続ける。
- 費用は自分持ちだ。 フィリピンに住んで、クライアントがアメリカなら、毎回の電話が携帯の国際電話になる。どの通話がどのクライアントの分かを後から整理して、立て替えた分を請求する。
- 相手にあなたが誰なのか分からない。 オハイオの受付は、知らない外国の番号を見て電話に出ない。出てくれたとしても、最初の1分は「なぜ外国の人がスミスさんの予約の件で電話してくるのか」を説明するのに消える。
- クライアント同士が混ざる。 通話履歴も請求書も電話も1つ。クライアントは5人。記録を残すのが難しく、クライアントに記録を求められたときに見栄えも悪い。
どれも通話品質の問題ではない。電話が間違った場所からかかっている。それだけの問題だ。
本当に必要なもの
問題を削っていくと、必要なものは4つだけだ。
- 本物の電話番号(WhatsAppアカウントではなく、固定電話や携帯)に、仕事で使っているノートPCからかけられること。
- 電話に出た人にとって意味のある発信者番号。
- 1回ごとの通話料金がはっきりしていて、正しいクライアントに請求できること。
- クライアントにも、電話をかける先の企業にも、何もインストールさせないこと。
これがブラウザ通話だ。Webページを開き、番号を打ち、話す。電話を受ける相手は何もしなくていい。相手の電話がただ鳴るだけだ。詳しくはブラウザ通話の仕組みと必要なものを別の記事にまとめてある。
ブラウザからクライアントの代わりに電話をかける手順
PuchiDenなら、準備は数分で終わる。
- メールアドレスで登録する。 パスワードも電話番号もアプリも要らない。
- プリペイドのクレジットをチャージする。 最低額は5ユーロ。サブスクリプションではないので、電話が少ない月に余計な費用はかからない。
- マイクを許可する。 ブラウザが一度だけ尋ねてくる。長い電話にはヘッドセットがあると楽だ。
- 料金を確認してからダイヤルする。 発信ボタンを押す前に、国と番号の種類ごとの1分あたりの料金がダイヤラーに表示される。執筆時点で、アメリカの固定電話と携帯電話への通話は1分あたり0.02ユーロだ。
相手が出なかった通話は無料だ。出るかどうか分からない企業のリストに順番にかけていくとき、これは大きい。通話中にはキーパッドからプッシュ音も送れるので、「請求については1を」のような自動音声も、ふつうの電話と同じように操作できる。
ブラウザ通話が初めてなら、インストール不要でパソコンから電話番号にかける方法というガイドも書いてある。
クライアントの番号を発信者番号として表示する
初期設定では、電話を受けた相手に表示されるのはPuchiDenの番号で、あなたの携帯番号は表示されない。これだけで、最初の問題は解決する。
もう一歩進めることもできる。PuchiDenでは、電話番号を認証して発信者番号として選べる。クライアントが同意すれば、クライアントの事業用番号を認証し、代わりに電話するときにその番号を表示できる。そうすれば歯医者の受付には、すでに登録済みかもしれないクライアント自身の番号が表示される。
ただし、ここには絶対のルールがある。クライアントの番号を使うには、クライアントの明確な許可が必要だ。 利用規約では、所有者の許可なく自分のものでない番号を表示することを発信者番号の偽装として扱い、アカウントを停止する。認証はその番号を管理していることの証明だ。クライアントと一緒に行う。同意は書面(メールで十分だ)でもらい、保管しておくこと。
正直に書くと、1つ限界がある。国際電話では、相手側の通信事業者が、電話機に届く前に発信者番号を書き換えたり消したりすることがある。これは電話網の不正対策で、どの通話サービスにも止められない。その事情は国際電話で自分の番号が表示されないことがある理由に詳しく書いた。だから、電話の最初の一言でクライアントの名前を伝える習慣をつけるといい。「スミスさんの代理でお電話しています」と。
クライアントごとに専用の番号を持たせる
使える事業用の番号を持っていないクライアントもいる。自分の番号は表に出したくないクライアントもいる。また、相手から折り返してもらう必要がある仕事もある。クリニックが予約の確認をしてくる。取引先が注文の件で折り返してくる。どちらの問題も答えは同じだ。クライアントに専用の番号を持たせればいい。
PuchiDenは、アメリカやイギリスなど一部の国でバーチャル番号を貸し出している。バーチャル番号とは、SIMカードにひも付いていない本物の電話番号だ。この番号は2つの仕事をする。
- 発信するときの発信者番号になる。 ダイヤルする前に選ぶと、相手の企業には外国の番号ではなく、クライアントの現地の番号が表示される。
- 折り返しの電話を受ける。 かかってきた電話は指定した電話に転送され、かけてきた人に転送先の電話が知られることはない。
1つのアカウントで複数のバーチャル番号を持てる。アメリカのクライアントが3人いれば、アメリカの番号を3つ借りて1人に1つずつ割り当て、すべてを1か所で管理できる。
番号を借りるには本人確認(KYC)が必要だ。電話の規制当局が求めている。本人確認を受けるのは、サービスの利用者であるあなた自身である。クライアントが書類を提出する必要はない。現在は、本人確認のあとに当社のチームが1つずつ手作業で番号を設定している。必要な国を書いて、アカウントのメールアドレスからサポートにメールを送ればいい。費用は1回きりの設定料と、国によって異なる月額料金、それに着信の1分ごとの料金だ。どれもプリペイド残高から引き落とされる。
クライアントごとに通話を分けて管理する
PuchiDenのアカウントは1人に1つで、利用規約にもはっきりそう書いてある。だからクライアントごとにアカウントを作ってはいけない。アカウントは自分用に1つだけにして、使い方でクライアントの仕事を分ける。VAのチームで働いているなら、各アシスタントが自分のアカウントを持つ必要がある。利用規約では、ログイン情報の共有や、アカウントを共有の道具として使うことを認めていないからだ。
うまくいくやり方はこうだ。
- 電話のたびに発信者番号を選ぶ。 クライアントごとに番号があるなら、ダイヤルする前に正しい番号が選ばれているかを確かめる。2秒で済み、気まずい電話を防げる。
- 電話が終わるたびに記録する。 日付、クライアント、かけた番号、通話時間、料金。簡単なスプレッドシートで十分だ。ダイヤラーには発信前に料金が、常に残高が表示されるので、費用はすぐに計算できる。PuchiDenは通話記録を60日で削除するので、記録は自分で残しておくこと。
- 通話の費用をどう負担するか、クライアントごとに決めておく。 1分数セントの通話は小さな額だが、仕事にかかる本物の費用だ。番号の月額料金も同じだ。最初の請求書のあとではなく、最初の電話の前に決めておく。
やってはいけないこと
いくつか、使ってはいけない用途がある。クライアントの仕事の途中で知るより、いまここで知っておいたほうがいい。
- 飛び込みの営業電話やテレマーケティング。 連絡を望んでいない人に電話をかけることは、アメリカの電話消費者保護法(TCPA)やEUのeプライバシー指令などの法律に違反する。当社の利用規約にも違反する。クライアントのために企業へ電話して、予約・確認・キャンセル・催促をするのはふつうの使い方だ。知らない人のリストに順番に電話して何かを売るのは違う。
- 緊急通報。 PuchiDenは911や112、110、119などの緊急番号にはつながらない。緊急時のために携帯電話を手元に置いておくこと。
- フリーダイヤルはつながらないことがある。 アメリカの1-800番号の多くは、アメリカ国内からの電話しか受け付けない。これは番号の持ち主が決めたことで、当社の制限ではない。代わりに、その会社のふつうの電話番号を探そう。詳しくは海外からフリーダイヤルにかけられるかのFAQに書いた。
では、明日から何をするか
次に自分の携帯からかけるはずだったクライアントの電話を、ブラウザからかけてみてほしい。クライアントに、番号を表示してよいか、それとも専用の番号がほしいかを聞いてみる。そして、その電話を記録に残す。1週間たてば、クライアントごときれいな記録が手元にある。自分の番号は誰にも知られていない。電話代の請求書も、また自分だけのものに戻っているはずだ。