航空会社の電話番号を検索したら、偽の番号が並んでいた ― 詐欺の番号を見分ける方法
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航空会社の電話番号を検索したら、偽の番号が並んでいた ― 詐欺の番号を見分ける方法

航空会社の電話番号を検索すると、1ページ目に偽の番号が出てくる。2026年11月3日に検索して見つけた偽ページの特徴と、本物の番号にたどり着く方法をまとめた。

イクバル・アバドゥラ 著者 イクバル・アバドゥラ

航空会社のチャットボットが通じないときの記事で、電話番号は検索結果から取らず、公式サイトから取るように書いた。旅に出る人にとって、これは誰にでも起きうることだ。だからこの問題だけで一つの記事にしたほうがよいと思い、今回書いた。

2026年11月3日、Googleで航空会社の電話番号を検索してみた。日本語で7つ、英語で3つの検索語を試した。日本語の検索では、JAL・ANA・大韓航空・エアアジアについて、偽の番号が掲載されているページが1ページ目に出てきた。英語の検索でも、欧米の航空会社について同じようなページが並んでいた。

この記事では、偽の番号そのものは載せない。載せれば、この記事が番号を広める手伝いをすることになるからだ。代わりに、偽のページの特徴と、本物の番号にたどり着く方法を書く。

検索結果の1ページ目に何が出たか

検索語ごとに、1ページ目で見つけたものを並べる。

  1. 「jal 電話番号 海外から」。 1位はjal.co.jpの公式ページだった。しかし同じ1ページ目に、「+1-888」で始まるアメリカのフリーダイヤル形式の番号を、JALの窓口として掲載しているページが2つあった。
  2. 「航空会社 電話 繋がらない」。 ANAの窓口として、「+1-866」や「+1-888」で始まる番号を掲載しているページが4つあった。そのうち1つは、archive.orgにアップロードされたファイルだった。
  3. 同じ番号の使い回し。 ある「+1-888」の番号は、JALの窓口としても、ANAの窓口としても掲載されていた。1つの番号が、2つの航空会社の窓口であるはずがない。
  4. 「大韓航空 電話番号」。 「+1-888」の番号を「日本カスタマーセンター」として掲載しているページが3つあった。うち2つはarchive.orgのファイルだった。
  5. 「エアアジア 電話 問い合わせ」。 日本やブラジルの番号を「公式窓口」として掲載しているページが4つあった。うち2つは、アメリカのノースダコタ州政府のサイト(nd.gov)に置かれていた。そもそもエアアジアは、2026年3月16日の公式発表で、電話でのカスタマーサービスは行っていないと明言している。
  6. 「シンガポール航空 電話番号」。 1ページ目に、目立った偽のページはなかった。公式サイトの各国の連絡先ページが並んでいた。
  7. 英語の「how to talk to a human at airline customer service」。 1ページ目の6件が、KLM・ユナイテッド航空・デルタ航空・アメリカン航空の偽の番号を掲載しているページだった。1つはミズーリ州政府のサイト(mo.gov)に置かれたPDFだった。

検索結果は、検索する人や日によって変わる。ここに書いたのは、11月3日に私が見た結果だ。

翌日の11月4日にも、同じことが起きた。英語で「United Airlines reservations phone numbers outside the U.S.」(ユナイテッド航空の米国外の予約電話番号)と検索したときだ。結果にはユナイテッド航空の公式ページもあった。しかしその横に、偽の番号を掲載したファイルがいくつも並んでいた。ファイルの置かれていた場所の1つは、アメリカのアリゾナ大学のサイト(arizona.edu)だった。コロンビア政府のサイト(supertransporte.gov.co)や、コンサルティング会社のサイトにも置かれていた。

もう1つ書いておく。JALとシンガポール航空の検索では、1位は公式サイトだった。偽のページは、2位から下に混ざっていた。偽のページがいちばん多かったのは、「航空会社 電話 繋がらない」の検索だった。電話がつながらずに困っている人が、偽のページに出会いやすいことになる。

偽の番号にかけると何が起きるか

アメリカの連邦取引委員会(FTC)は、2020年に偽のカスタマーサービスについての注意喚起を出している。それによると、詐欺師は有名企業の偽の連絡先を作り、お金を払って検索結果に出している。電話をかけると、問題を解決すると言って、送金やギフトカードでの支払いを求める。個人情報を聞き出したり、パソコンの遠隔操作を求めたりすることもある。

航空会社についても、FTCは2024年に航空会社の担当者を装う詐欺への注意喚起を出した。2026年3月には、フィリピンのエアアジアも、確認されていない場所にある問い合わせ番号を使わないよう呼びかけた。

FTCによると、相手は航空会社の担当者のふりをして、予約番号や電話番号、銀行口座の情報を聞き出す。その情報は、なりすましや不正な支払いに使われる。本物の航空会社は、その電話のことを何も知らない。

JALの情報漏えいに便乗した連絡にも気をつける

いまは特に気をつけたい事情がある。2026年10月28日、JALとJTAは、委託先のAmadeus社のシステムに不正アクセスがあったと発表した。

発表によると、対象は約9万2,000人だ。約9万人については、予約番号・氏名・搭乗日・区間・クラスが外部から参照された形跡がある。約2,000人については、メールアドレスや電話番号、パスポート番号なども対象になっている。クレジットカード番号とパスワードの漏えいはないそうだ。JALは、JALグループを装った不審なメールや電話、偽サイトに注意するよう呼びかけている。

ここで覚えておきたいのは、予約番号と名前を知っている相手でも、本物の航空会社とは限らないということだ。電話やメールで予約の話をされたら、一度切って、公式サイトの番号に自分からかけ直す。

偽のページによくある5つの特徴

1ページ目で見た偽のページには、共通する特徴があった。

  1. 航空会社の公式ドメインではない。 偽のページが置かれていたのは、archive.orgや、アメリカの州政府のサイト(nd.gov、mo.gov)だった。archive.orgには、誰でもファイルをアップロードできる。州政府のサイトのものも、一般の人が使える投稿の仕組みを悪用して置かれたファイルだと見られる。「.govだから安全」とは言えない。ユナイテッド航空の検索では、大学のサイト(.edu)にも置かれていた。
  2. 日本の航空会社の日本語窓口なのに、アメリカのフリーダイヤルを案内している。 ただし、番号の形だけで偽物とは決められない。たとえばANAは、アメリカ向けのお問い合わせページで、アメリカ国内向けに「1-800」の番号を案内している。同じページには、アメリカ国外からかける人向けに、フリーダイヤルではない「+1-310」の番号も記載されている。問題は番号の形ではなく、その番号がどこに記載されているかだ。なお、アメリカのフリーダイヤルは、日本からはつながらないことが多い。
  3. 数字を変な文字で書き換えている。 「𝟙-𝟠𝟠𝟠」のような飾り文字や、数字の間に「>」や下線を入れた書き方があった。検索エンジンや迷惑メールのフィルターをすり抜けるためだと考えられる。航空会社の公式サイトは、ふつうの数字で番号を書く。
  4. 同じ番号が何度も繰り返されている。 1つのページの中で同じ番号を何度も書く。さらに、同じ番号を別の航空会社の窓口として掲載している。
  5. タイトルや文章が不自然だ。 「((Customer~@Service!!ANA案内))」のような記号だらけのタイトルや、大文字と小文字が入り混じった英語のタイトルがあった。「24時間対応の公式窓口」と自分で名乗るページもあった。

本物の番号にたどり着く方法

私が航空会社に電話するときは、次の順番で番号を確かめている。

  1. 航空会社のサイトを、検索結果を通さずに開く。 URLを直接入力するか、ブックマークや公式アプリから開く。
  2. 検索結果を使うなら、ドメインを確かめる。 たとえばJALはjal.co.jp、ANAはana.co.jp、大韓航空はkoreanair.com、シンガポール航空はsingaporeair.comだ。
  3. 公式サイトの国別の連絡先ページで、番号を確かめる。 窓口の選び方は、チャットボットの記事に書いた。
  4. マイレージカードの裏面を確認する。 航空会社のマイレージプログラムの会員で、会員証を持っているなら、カードの裏面に書いてある番号を確認する。カスタマーサポートの番号が最も確実に載っている場所だ。
  5. ダイヤルする前に、かける先の国を確かめる。 PuchiDenのダイヤラーでは、発信ボタンを押す前に、かける先の国と1分あたりの料金が表示される。日本の航空会社の日本語窓口にかけるつもりで、表示がアメリカなら、そこで止まる。番号を公式サイトで確かめ直す。

偽の番号にかけてしまったら

  1. カード番号を伝えたら、すぐにカード会社に連絡してカードを止める。 ANAも、偽サイトにカード番号を入力した場合は、カード会社に再発行を頼むよう案内している。
  2. 航空会社のアカウントのパスワードを伝えたら、公式サイトで変更する。
  3. 予約が勝手に変更されていないか、公式サイトで確かめる。
  4. 日本の公的な窓口に相談する。 お金をだまし取られたときは、消費者ホットライン188や、警察相談専用電話の#9110に相談できる。どちらも、一部のIP電話からは使えない。携帯電話か固定電話からかける。アメリカでは、FTCのReportFraud.ftc.govに報告できる。

電話をかける前に

検索で出てきた番号に、そのままかけない。番号は、航空会社の公式サイトで確かめる。電話やメールで予約の話をされたら、一度切って、自分から公式の番号にかけ直す。私が気をつけているのは、この3つだ。

次の記事では、日本から電話しやすい航空会社の窓口の番号を、公式サイトへのリンクつきでまとめる予定だ。

ダイヤラーを開いて、公式サイトの番号に電話する

最終更新日: 2026年11月4日

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